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読書のおともに

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2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

スポーツの日本史(谷釜尋徳)

谷釜尋徳の『スポーツの日本史』は、弓矢の射技から現代スポーツまでの変遷を追う。日本のスポーツが歴史を通じてどのように発展し、外来文化の影響を受けてきたのかを解説。相撲や蹴鞠、羽根つきといった伝統的なスポーツの起源や特徴を、図版と共に紹介す…

デウスの城(伊東潤)

宗教と人間の真理を深く掘り下げた『デウスの城』は、信仰に生きたキリシタン達の苦悩と運命を描き出す作品である。関ケ原の戦いから島原の乱に至る時代背景の中で、3人の主人公たちが辿る信念の道を追い求め、信仰とは何か、神との関わりを問い直す。

ケマル・アタテュルク(小笠原弘幸)

トルコ共和国の建国に尽力したケマル・アタテュルクの生涯を描く伝記。アナトリアの危機から国家建設、神話形成までの過程と私生活に迫る。民族主義と世俗主義の掲げられた新国家の歴史も知ることができる。

ヘルメス(山田宗樹)

人類滅亡の危機と実験地底都市「ヘルメス」を舞台に描かれるSF小説『ヘルメス』。地下で10年間の生活を送る実験参加者や、途絶えた通信、18年後の謎のサインなど、読者を惹きつける謎が満載の作品であり、小惑星の真実までもが謎に包まれる。

絶滅する「墓」(鵜飼秀徳)

死者の埋葬様式とその変遷を追い、現代における墓の問題を検証した『絶滅する「墓」』の書評。少子化が進む中での墓や葬送儀礼の縮小、多様化の意味を歴史と民俗の視点から解き明かす。著者の深い洞察が読む者の考えに影響を与える内容である。

数学者たちの黒板(ジェシカ・ワイン/徳田功訳)

『数学者たちの黒板』を通して、数学のリアリティと数学者の精神世界に迫る。109枚の板書を通じて数学の魅力を伝える評者の視点も織り交ぜながら、数学の本質に迫る挑戦的な書籍を紹介している。黒板一つに数学者の思索が凝縮され、数学の神秘に触れることが…

帝国ホテルと日本の近代(永宮和)

明治から昭和、そして現代へと続く、帝国ホテルの歴史とその逸話を紐解く『帝国ホテルと日本の近代』。フランク・ロイド・ライト設計のライト館や林愛作の功績など、建築の硬派な魅力と近代日本の変遷が交錯する。新本館完成に向けた現代の動きも見逃せない。

日本語人生百景(中村明)

日本語学の権威、中村明が作家96人の随筆を読み解く『日本語人生百景』。向田邦子や内田百閒などの名エピソードを紹介し、原作を読みたくする魅力を持つ。尾崎一雄、永井龍男との対談経験も生かし、表現の秘密に迫る。

江戸に向かう公家たち(田中暁龍)

江戸時代の公家たちの動向を探る『江戸に向かう公家たち』では、幕府依存の経済状況と、京都の文化を江戸にもたらした公家の役割に迫る。勅使や大奥への役割、文化サークルの形成など、公家と武家の交流が描かれる。公家の江戸下向がもたらした影響とは?装…

お帰りやす、天皇陛下。(井上章一/工藤美代子)

『お帰りやす、天皇陛下。』は、井上章一と工藤美代子による皇室と京都の千年にわたる深い関係を探る一冊である。朝廷の女房が担った「美人力」など、文化・歴史を通じて謎を解明し、皇室の文化継承に期待を寄せる対話を展開する。

吉右衛門(渡辺保)

二代目中村吉右衛門の深い芸の世界に入り込む渡辺保の『吉右衛門』。その見識と情熱が光る名著を通じ、歌舞伎の古典が現代にどう生きるかを伝える。吉右衛門の名演を紐解きながら、歌舞伎の魅力を深堀りする書評・感想。芸の進化を経年で記録し、歌舞伎への…

Q(呉勝浩)

社会の「感動」と欲望を深掘りする野心作。被執行者ハチと彼女の兄弟の葛藤、そしてカリスマへの願望と暴力の物語。現代社会の狂気と充足を鋭く描き出す。

日暮れのあと(小池真理子)

喪失と再生を描く小池真理子の短編集『日暮れのあと』。直木賞作家の実体験に根ざしたリアルな物語が心に残る。主人公たちが抱える心の移ろいとその景色が深い余韻を生む。7つの物語が紡ぐ人生と愛の悲喜こもごもを、美しい風景描写と共に堪能できる一冊。

毒殺の化学(ニール・ブラッドベリー/五十嵐加奈子訳)

化学物質が生命に与える影響を探究した「毒殺の化学」。医療と犯罪の狭間にある毒物の二面性を、専門家ニール・ブラッドベリーが解き明かす。インスリンやアトロピンの例を交え、科学的な視点で毒の世界を深く探る。毒に魅せられた者に、その理解を深める洞…

案山子の村の殺人(楠谷佑)

大学生コンビ作家の宇月理久と篠倉真舟が謎を解く犯人当てミステリー。秩父の宵待村で連続する案山子を巡る事件の真相を追う。密室とクローズドサークルが絡む難解な謎、読むたびに深まる伏線と叙述の技巧に注目。転換が必要な仕掛けが光る作品。

創造論者VS無神論者(岡本亮輔)

英米圏で高まる創造論と無神論の対立を鋭い筆致で解き明かす『創造論者VS無神論者』。インテリジェント・デザイン論の台頭と新無神論者の反論を追いながら、岡本亮輔が提唱する「文化的キリスト教徒」の概念にも焦点を当て、宗教と科学の対話を探る。

ヒトラーの馬を奪還せよ(アルテュール・ブラント/安原和見訳)

美術調査員がナチス時代の秘宝「闊歩する馬」の奪還に挑む実話を描くノンフィクション。盗難美術品が引き起こす闇市場と地下構造が、欧米社会の裏面を浮かび上がらせる。欲望が渦巻くアートの世界に迫る一冊。

庭のかたちが生まれるとき(山内朋樹)

日本の庭の秘密に迫る『庭のかたちが生まれるとき』。山内朋樹著者は庭師の視点から京都の古刹での作庭過程を追い、庭の意匠の背後にある哲学と技術を探究する。石の配置や職人の技から庭の世界観を解読し、新たな美の見方を提供する。

いかにして個となるべきか?(船木亨)

現代社会における個人のアイデンティティ形成の課題とその哲学的根拠を考察。船木亨の著書「いかにして個となるべきか?」では、集団の中での自己確立の重要性と、SNSがもたらす影響を探求する。自分らしさを保ちながら社会とどう向き合うかを指南する一冊。

幽霊綺譚(ヨハン・アウグスト・アーペル/フリードリヒ・ラウン/ハインリヒ・クラウレン/識名章喜訳)

19世紀初頭の文学界に衝撃を与えた、『幽霊綺譚』のレビュー。ディオダティ荘で繰り広げられた怪談会の舞台裏を垣間見ると共に、ゴシック小説における物語の積み重ねや隠された物語の魅力を紹介している。文学過去から未来への橋渡しとなる本書の多彩なジャ…

ボナールとマティス 手紙の二人(ピエール・ボナール/アンリ・マティス/山内由紀子訳)

フランスの巨匠、ピエール・ボナールとアンリ・マティスの手紙が綴る、芸術と友情の軌跡。フォービスムとナビ派という異なる芸術運動に身を置きながらも、互いの作品を愛し合った二人の交流は、特に第二次大戦を通して魂の交歓となる。野見山暁治の特別寄稿…

ドーピングの歴史(エイプリル・ヘニング/ポール・ディメオ/児島修訳)

『ドーピングの歴史』では一世紀以上に及ぶドーピング問題の変遷を詳細に探究し、現代の厳格な規則やアスリートの人権、公平性を考慮した新たな検査体制の提言に至るまでの議論を展開する。運動能力強化の陰に隠れた歴史的、社会的側面を児島修訳が解説。

リーダーシップは歴史に学べ(山内昌之)

歴史から学ぶリーダーシップの本質を探求する山内昌之の著作。偉人達の名言や故事に基づき、現代問題の深層に迫るエッセー集。新型コロナウイルス、安倍元首相銃撃事件、ウクライナ戦争等、様々なテーマを通じて指導者の条件を模索し、台湾有事への洞察も提…

大東亜戦争秘録(早坂隆)

第二次世界大戦の裏に隠された真実を解き明かす『大東亜戦争秘録』。早坂隆が直接証人の証言を基に描く、看護婦たちの集団自決などの衝撃のエピソードを含む10の物語。歴史の学びと未来への議論を促す、重要な作品。

ドイツサッカー文化論(須田芳正/福岡正高/杉崎達哉/福士徳文)

ドイツサッカーの独自性とその文化的背景を、武藤嘉紀選手の経験談を交えて探る『ドイツサッカー文化論』。親子で楽しむスタジアム、メディアとの関わりなど、サッカーが国民生活に溶け込む様子を多角的に分析。情熱とアイデンティティが反映されたサッカー…

本のある空間採集(政木哲也)

全国の個性豊かな本のある空間44カ所を訪問し、その魅力を立体図で表現する『本のある空間採集』。手描きの店内図とオーナーたちの物語が織りなす、居心地の良い書店・ブックカフェの世界をご紹介する。本に囲まれた穏やかな時間を感じさせる一冊。

名画のコスチューム(内村理奈)

西洋の名画に描かれた階級や職業別の服装を詳細に解説する内村理奈の『名画のコスチューム』。踊り子や農民、騎士から羊飼いまで、各服装の特徴や時代背景をカラー図版と共に紹介する。西洋服飾史に新たな視点を提供する一冊。

諜報国家ロシア(保坂三四郎)

保坂三四郎の『諜報国家ロシア』ではロシアの政治と情報機関の深い結びつきを分析。KGBからFSBへと続く諜報の歴史と、それが国内外に与える影響を明らかにする。ロシアの権力構造と情報戦略に迫る力作。

昭和史百冊(平山周吉)

平山周吉著『昭和史百冊』は、昭和時代に起きた戦争の理由や影響に迫る評伝集。天皇や陸軍を焦点に、戦前から戦後までの昭和史を掘り下げる。小説や詩歌からも引用し、昭和精神史の理解を深める。半藤一利の言葉で締めくくられる敬意溢れる作品。

賢治と「星」を見る(渡部潤一)

宮沢賢治の詩や童話に頻出する天体の描写から、彼の専門知識を探る渡部潤一著『賢治と「星」を見る』。中学時代の孤独感と星空への憧れを共有した著者が、賢治の感性と科学的観察を結びつけ評価。星への深い愛と観察眼を通じて、賢治の内面に迫る詳細な分析…